介護民俗学~自己発見で回復を目指す~
介護民俗学とは大学准教授を経て、現在は介護士としてデイサービスで働く六車由実さんの造語です。民俗学の研究手法である聞き書きを介護に導入し、老いの意味を自分自身に問いかけているのです。

聞き書きで生じる信頼関係

介護民俗学~自己発見で回復を目指す~についてのイラスト 老いていくことは、価値がないのではないか…など勝手に悪いイメージを持ってしまいがちです。そんな人生の先輩からの言葉を耳を傾けて聞き、書いていくことで先輩方に強い関心を持って、その言葉から教えを乞うことができるのです。耳を傾けて、話を書いていくことは、実際の介護とはかけ離れているかもしれません。介護といえば、食事や排せつの介助といったイメージをもたれる方も多いと思いますし、実際の現場もまずその点をクリアしない限り、業務が進んでいきません。介護はケアをする側、される側という関係から成り立っており、する側のほうが優位にたっている状況です。ところが、聞き書きの作業を導入すると、ケアを通した関係から新たな関係が生まれてきます。聞く側、話す側という関係です。この関係は時には対等になったり、逆転したりします。常時介護する側が優位ではなくなるのです。そこで人と人との信頼関係が築かれている実感がわき、結果的にケアもよくなっていくという良循環ができてくるのです。

認知症の方が輝いていた時代の記憶

例えば認知症の方だと、会話すら成り立たない場合もあります。根気強く言葉をつなぐことで、その人なりの文脈も出てきます。ある女性が部屋の隅で立ったまま排尿している、実はその方はかつて畑で女性も普通に排尿をしていた生活歴があったからだったなど、こういった形で今まで不可解だった行動につながりのあるものだと理解できることもあるのです。また高齢になり、体力、気力が衰えてくると「人様の世話になるなんて生き地獄だ」と絶望の言葉を吐く方もいます。ところが聞き書きを始めると、誰もが話したくなるのは自分が一番輝いていた時代の記憶です。そのことを思い、語ることで生きていたという実感のある時代に意識が戻り、何とか前を向いて生きていこうという気持ちにもなってくるのです。

介護民俗学が与える充実感

このような作業を繰り返すことは、高齢者だけに有効なわけではなく、若い介護する側の人にも効果的な側面があります。相手の方の人生の深いところまで触れられることができ、人生の厚みを知り、その方が立体的に見えてくることで、より敬意をもって関われるようになってくるのです。 介護民俗学とは新しい言葉ですが、これからの介護に充実感を得られるものになると思われます。
参考元:読売新聞


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